神在月(島根県だけの特権。一度言ってみたかった)もあとわずか。
17km歩いた、散歩好きなおかみ(仮)のおはなしを。
今年初の忘年会で、久々に西郷で朝を迎えました。
(西郷とは、港がある島の中心部。佃屋がある中村地区は、島のまったく反対の北側に位置します)
ボロボロの姿と反対に、ここ最近でいちばんの晴れ模様。
たまの休日で時間と心に余裕があったので、「歩けるところまで歩いてみよう!」と思いたつ。
西郷の町から、下西へ。
(町中で、せっせと配達に出ているブンテン母さんとすれ違う。ボロボロな自分がやけに恥ずかしかった)
ずっと気になっているこの店のタイトル。
くるくるするのはフォークじゃないのか?それとも何かの魔法なの?
そしてドライドリンクって??
しかもすぷーんくるくる、じゃなくて「すぷーんdeくるくる」だったんだ!
「すぷーんをくるくる」するってことじゃないんだ!
「メゾン・ド・ヒミコ」みたいなかんじだ!!
略して「SUPUKURU」は設立当初から指定されていたんだ!
・・・もう、何が何だか。
ちなみに、この「すぷくる」を過ぎたあと、トタンで蓋をしてあるなぞの穴があるのですが、
ここを覗きこむとものすごく神秘的な空間が広がっているのでオススメです。
ここで、水道のSさんに遭遇!
「久しぶり!」と再会の喜びを味わったあと、歩きに挑戦している旨を伝えると、
「今日の仕事は余裕があるから、途中でくじけたら電話して!」とのお言葉^^
そんな励ましにパワーをもらいつつ、歩みを進める。
玉若酢命神社を通り過ぎ、ひまりを越え、隠岐酒造横もテクテクと・・・
秋の要素たっぷりの一枚。
紅葉が散って、これからは、「上」じゃなくって「下」が綺麗になる季節なんですって^^
柿も鈴なり。
原田にて、かっこいい神社を発見。
車で何度も何度も通った道なのに、初めての発見でした。
車には車の、自転車には自転車の、徒歩には徒歩の目線があって、
同じ道でも発見が違うのです。
だから、歩くのです。
(見つけることは、私の仕事でもありますから)
この写真の反対側の角度から見ると、鳥居の奥にまっすぐな杉が二本並び、その奥に岩盤と大きな(おそらく)ご神木がたっていて、とってもかっこよかった。
しかし、一晩をこえた携帯電話がここで寿命を迎え、写真撮れず、無念。
わたくし歩くの大好きでして、シドニーに住んでいた時は、
住んでいたBONDI~バイト先のCOOGIEまで片道1時間くらいを毎日往復したり、
CITYまで2時間くらいかけて歩いていったこともしばしばでした。
(歩くの好き!得意!と豪語して良いレベルでしょう!くれぐれもわたしに「これって歩ける距離かな?」と相談しないように気をつけてくださいねw)
銚子ダムを越えると、車通りも少なく、静けさと大自然に包まれて、ハンパない解放感。
すると、目の前に一台の車が停車。
「・・・なにしてるんスか」
昨日の忘年会で一緒だったM氏、私を見かけて引き返してくれたよう。
ことのあらましを話すと例のごとく呆れられたものの、彼の優しさに触れました。
うん、ほんとは優しいんだよね、知っていたよ!笑
ダムを超えて、まだまだノリノリでテクテクしていると、1台の箱バンが停車。
「どこまでいくの?」と、それはもう子供に話しかけるような優しい口調で聞いてくださった見知らぬ方。
さすがにこの道を歩く人はそう見かけないのでしょう。確かに、私でも車停めるかも。
秋の木イチゴをプチプチとつまみながら、疲れたらもうすぐ来るバスに乗ろうなんて思いつつ、進む。
これ、小さい頃お父さんに山へ連れてってもらったときに、食べれるということを教えてもらったんだよな、と懐かしの気持ちに。
ふだん買ったり貰ったりする果物みたいなものが、山に自然に生えているなんて!と感動したものです。
そういった体験があったから、今の生活がしっくり来るのかもしれないな~なんて感じつつ。
ここで時計が無いことに気付き(まだ太陽を見て時間がわかるまでには達していないのです)、次もし誰か停車してくれたら、時間を聞くのを忘れないようにしないと・・・と思った矢先。
いつもお世話になっている、神戸IターンのYさんご夫婦が。
わざわざ車を降りて、「アシがないのかと思った」と心配してくださいました。
時間を聞くと、バスまであと20分ほどありそうなので、とりあえずまだ進んでみようと決める。(案の定、12時に鳴る「浄土ヶ浦 小唄」はこの山中までは届かないんだな~と思いつつ)
この先には長い長いトンネルがあり、自転車で通った時はかなり怖い思いをしたので、
あぁ、このトンネルだけでも車に乗せてもらえばよかった!と後悔していると・・・
「乗っていきますか!」と素敵すぎるタイミングで声をかけてくれたのは、パパの助手席に乗った少年。
トンネル抜けて降りたあとの「がんばって」のことばになんだかとても励まされ、こうなったら中村まで歩こうではないか、と決意。
かぶら杉、島根の名水を通り過ぎたあたりで、またまた停車してくれたのは見知らぬ鹿児島ナンバーのお車。
「敢えて歩いてるのか!がんばってね!」と気さくに声をかけてくれた綺麗なお姉さま。
その後も「佃屋さんですよね!のっていきますか!」と爽やかイケメン親子さんが声をかけてくれたり・・・隠岐の島ってホントあったかい。
こんなにたくさんの方に車停めてもらって申し訳ない、そして変な奴だと思われただろうな、恥ずかしいなぁ、やはり人生とは恥の上塗りなのだ、などと思いながら、残りわずかな道を進む、進む。
川の音が大きくなっているところには小さな落差があったり、
まだ通ったことのない道路を見つけて、こんど行ってみよう、と思ったり、
トンネルで声を響かせて遊んだり、
黒光りする美しい牛と見つめ合ったり(昨日の宴会は焼き肉だったので、感謝の想いも込めつつ)。
ついに中村へ帰還。
西郷の街をでて、山を超えて辿りつく、海と山を持った村。道のりにストーリー性があるよなぁ。
とはいえ、佃屋までの道のりはまだまだございます。
民家がちらほら並ぶ道路には、畑がたくさん。
軒下に干し柿があったり、庭のイチジクを守るために怖すぎるカラスよけ人形が祀ってあったり、
中村の人々の生活をチラりとのぞきながら、家まで向かいました。
そして愛しの我が家「佃屋」に到着!
走ったり、自転車に乗ったりすると息を切らすようなつらい思いをしますが、
徒歩は時間さえあれば案外ヨユウだな、といったところです。
とはいえそのあとGOKA温泉に行って帰ってくると、三時間近くお昼寝してしまいました。
(予約がダブルブッキングしまくりでお客様対応しきれない、という恐ろしい夢を見ました。)
さて、これで明日のチャリンコ島半周ライドの準備運動は整ったってところだな~。
そろそろ山も登りたいし、行楽シーズンとは、このことである。
※隠岐の魅力を発信すること、は私の使命でもございます。なので、まずは自分で何でも体験して、見て、やって、知っていかないと!だから変な人じゃないんだよ!
皆様には、決して「当佃屋までは、徒歩でのお越しをおすすめします」なんていいませんけど、たまにはじっくりゆっくり歩いてみるのもオツなものです。
ということで。